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残土条例討議  2 [残土埋立]

 修正案を提出した会派は「新風会」で篠原議員が会長、粕谷議員、笹生典之議員、根本議員の4名である。今回提出した修正案の中心的事項は、
① 原案の第11条第2項を削除すること(事業区域から300以内居住世帯8割以上の承諾)
② 説明会には市職員が立ち会うこと
以上2点である

 その根拠として挙げた理由は
① 住民承諾を必要事項とすることは、地権者の財産権を侵害する恐れがあること
② この事例に対する判例はないが、中央官庁官僚文書に掲載された見解(引用文書出典を私は不明)によれば、限りなく違法に近いものであること。
③ 原案作成者(市)の見解も、必ずしも明快でないこと
以上から、瑕疵の疑いがある(誤りのおそれがある)条例は策定すべきではないというものであった。

 法理上の解釈が意見の違いになって現れたのである。しかし、このことを別な観点から言えば、法律で保障されている私有財産権・経済活動における自由営業権・そして住民の生存権。そのいずれを上位法令とするのかが問われた問題提起の修正案であると考える。

 さて、修正案の根拠となった「住民同意に違法の疑いがある」ということの誤りについて触れる。いうまでもなくその判断は司法の役割に属する。判断は判例によってはっきりする。
「判例はない」というが、以下3点の事例を挙げる。

① 生存権と営業権の争い・・2007年11月28日最高裁判所判決
  産業廃棄物最終処分場建設等差し止め請求控訴事件
判決は、排水汚染が飲料水・地下水汚染に及び、農作物汚染の被害も受けるという事実を考え  た時、住民の生活権・生存権は著しく侵害を受けることから、最終処分場建設を差し止めると  いう判決になった。その結果、事業体の操業は中止になった。生存権の優位を明確にした判決  とみてよい。この間13年を要したことも付加しておく。
  ~富津市田倉湯ノ谷産業廃棄物最終処分場~

② 住民2km8割同意条例に対する判断・・・ご存知の木更津高尾産業による残土埋め立て処理場建設計画は、木更津市残土条例通りに8割以上の住民不同意を貫き、木更津市長は「残土条例の法的疑問に対し裁判に訴えて争われたらどうする」という議員からの質問に「受けて戦いましょう」と毅然とした答弁をした。住民同意は当然の権利として木更津市では定着したとみてよい。企業は、「個人への営業妨害賠償裁判(高額金請求)」や「条例自体の違法性を争う裁判」等を検討したようであるが、踏み込むことなく建設を断念した。

③ 千葉県条例下における判断・・2011年3月28日判決 損害賠償請求事件
▲ 原告  株式会社トシマ  被告 富津市
▲ 判決 原告の請求を棄却する   千葉地方裁判所・木更津支部

▲ 裁判内容  これは千葉県残土条例下における、赤道の使用拒否に対する企業体からの損害賠償請求事件で1億5000万円と諸経費を請求したものである。形の上では赤道の使用不許可に対する賠償請求であるが、棄却した理由として、県条例の指導に従わなかったことが挙げられている。その許可条件として挙げられたものは、説明会を開催し、住民同意を得、協定書を締結することが条件になっている。この事案では、9割の住民の反対署名があり、許可条件を満たしていないものとして原告の請求は棄却された。
 住民同意は、生存権の保障であり、違法に当たらないことが、この判決で明確になったと言えよう。修正案の根底にある「同意承諾条項は、限りなく違法性に近い」という推測的根拠は、この判例によって誤りであることが、明確になった。

 以上いずれも、千葉県内近隣自治体での裁判事例である。これらの事例を改めて熟読され、誤りを率直に認められることをお勧めしたい。それでなければ「新風会」所属議員は、地権者・企業体の利益代弁者に位置づくことになりかねない。
 私たちは、議員各位の本意は、決してそのようなことではないと信じているからである。



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