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パキスタンの思いで [平和]

ブラジル・マナウス日本語学校勤務の友人は、3年間で今回113号の通信を送ってくれています。
今年3月で任期満了で帰国します。昨日届いた通信に、次のような子供の作品がありました。
ぜひ読んでください。 kawakami


パレスチナの思い出

 今年で第37回になる海外子女文芸作品コンクール入賞作品を読んで強烈に印象に残った作文がありました。作者は小学校3年生の女の子です。こんな土地に家族帯同で仕事に行く日本人がいるのだということも目から鱗でした。

 わたしは、パキスタンに引っ越す前、パレスチナに住んでいました。パレスチナは、イスラエルの占領地です。そのため、イスラエルとパレスチナの衝突がよく起こります。あまり安全ではないのですが、私はパレスチナが大好きです。

 パレスチナにはいろんな思い出が残っています。パレスチナに住んでいた三年間、私は西岸地区ラマッラの現地校に通っていました。生徒はみんなパレスチナ人。私はたった1人 の外国人でした。最初はアラビア語で苦労しましたが、あっという間にたくさんの友だちができました。

パレスチナの子どもはけんかをいっぱいします。おもしろいのは「たたかれたら、もっとたたき返す」 「どなられたら、もっとどなりかえす」という仕返しのルールがあることです。これを子どもに教えるのは、親と先生です。それからとてもいいなと思ったのはみんなけんかしてもすぐに仲直りすることです。私もパレスチナ人に負けないくらいたくさんけんかをしましたが、すぐに仲直りできるので友だちとはずっと仲よしでした。

 パレスチナには、数えきれないくらいの思い出があります。その中で忘れられないのは1年生の時の遠足です。エルサレムにあるイスラム教とキリスト教の聖地、黄金ドームと聖ふんぼ教会に行った時のことです。遠足の前日、悪い知らせが届きました。イスラエルが先生たちに「イスラエルに入るための許可書」をくれなかったので、遠足が延期になったのです。1週間たってようやく許可書が出ました。

 遠足の日の朝、私たちは学校からバスに乗ってイスラエル手前の検問所に行きました。まず先生たちがバスから降りました。そのあとバスの中に銃を持ったイスラエル兵士が入ってきました。子どもたちはみんな怖がりましたがチェックのあと、兵士がバスを降りたのでほっとしました。
でも先生たち大人は検問所の中に入ってチェックを受けなければいけません。その間、2時間くらい、子どもたちはバスの中で待ちました。トイレに行くのをみんなでがまんしました。ようやくエルサレムにつきました。黄金ドームの前で、私たちはパレスチナの歌を歌いました。私もパレスチナ人になってクラスのみんなといっしょに「いつかエルサレムに帰ろう」と大きな声で歌いました。

パレスチナ人は大人も子供もイスラエルのことが大きらいで怒っています。わたしが2年生の時はガザ戦争が起きたのでたくさんのパレスチナ人がイスラエル軍に殺されました。みんな本当に怒っていました。

そんな中、もう1つ忘れられない思い出は、ガザ戦争が終わったばかりのころ、担任だったシャハラザード先生が話してくれたことです。
「パレスチナ人にも良い人と悪い人がいるようにイスラエルにも良い人と悪い人がいます。イスラエル人全員が悪い人ではありません。」
私はイスラエル人はみんな悪い人だと思っていたのでびっくりしました。それから先生はこうも言いました。
「イスラエル人をユダヤ人と呼んではいけません。ユダヤ人とはユダヤ教を信じる人たちのことでイスラエル人とは違うからです。世界中にユダヤ人がいますが心優しいユダヤ人もたくさんいます」
「イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒はみんな同じ神様を信じています。だからユダヤ教徒のことも尊重しなければいけません。他の宗教、民族のことも差別してはいけません」シャハラザード先生はこの話を何度も何度も私たちにしました。

 私がこの話をお父さんとお母さんにするととても喜んで「良い先生に出会えて本当に良かった」と言いました。私もシャハラザード先生はすばらしい先生だと思います。先生のことは今でも大好きで尊敬しています。パレスチナの思い出、シャハラザード先生が教えてくれたことはこれからもずっと忘れません。
                      パキスタン在住  小3 松浦 はな

 親の都合(と言ったらいけないのでしょうか)で世界中の様々な土地に暮らす日本の子ども達。
そんな苛酷ともいえる環境下で育んだ感受性に心を揺さぶられます。今年度最優秀作品(文部科学大臣賞)に入った作文です。

★ 文化省大臣は、この作品を読んでいるのでしょうか?天下りには一生懸命のようですが・・
  kawakami 

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